不動産コンサルタントの高野です。
これから不動産投資をしようとする人にとって、「どこの物件を買うか」というのは重大な問題です。きっと明確な答えが出なくて悩んだまま時間が過ぎている、という人もいるのではないでしょうか。
私はこれまで不動産コンサルタントとして数多くの不動産投資家さんをサポートさせてもらってきました。また、私自身も当然物件を買った経験はあります。
その中で、物件を買うならどのエリアが最適なのか、という点について考えてみました。
初心者か上級者かによって違いはあるものの、「居住地の近く」がいいのではないかと思います。出身地ではなく「居住地」というのがポイントです。
理由はいくつかあります。
まず、1つ目は融資の問題。不動産投資と融資はセットみたいなものです。現金でも物件は買えますが、それだと投資効率が下がります。できるなら融資を利用して購入するべきです。
そしてこの融資についてですが、金融機関は融資を出す際に「お金を借りる人」と「対象となる物件」と位置関係を気にする傾向が強いです。特に地銀、信金、信組になるとその傾向はより強くなります。
つまり、物件が居住地に近いほど、物件と借りる人の関係性が説明しやすく、融資も受けやすくなります。
たとえば、北海道に住んでいる人が「沖縄が大好きなので沖縄の物件を買いたいので融資してください!」と言っても、金融機関としては「え?物件に何かあったらどうやって見に行くの?」って当然不安に思うわけですね。
でも北海道に住んでいる人が「自分が住んでるこの北海道が大好きです!北海道の発展に貢献したい、それに物件に何かトラブルがあっても車で10分でいけます!」と説明する方が「なるほど!」と納得しやすいのです。
以上のことから、居住地と物件の距離が近い方が融資を受けるハードルが低くなるということがいえます。ですので、どこで物件を買おうかなぁと考えている人はまずは居住地近くから探してみるのもおすすめですよ。
それから居住地から近い物件を選ぶ2つ目のメリットとして「地の利がある」という点です。つまり、自分自身が住んでる物件だから、選ぶ際に細かいところがわかるんです。たとえば「あの物件の前の道路は朝と夜は大渋滞するから入居者は入りにくいだろうな」とかそういう具体的な情報です。
そのような地域の生の声というのは、そこに住んでいる人じゃないと分かりにくいです。不動産は不思議なもので、1つ街区が違うだけで、地元の人の印象が全然違ったりします。その微妙な違いというのが、賃貸募集の際に割と影響します。
不動産投資の初心者であればあるほど物件を見極めるポイントがまだ分かっていません。どうしても買うところばかりに目が行きがちで、買った後の運用期間中、それから売却時の想定をできていないものです。
あまり深く考えなくてもその物件があるエリアの良さと悪さがわかるのは、自分が住んでいる地域だからです。
ですので、私は不動産投資の初心者の方にはまずは居住エリア付近で探すことをおすすめしています。
あと、物件と居住地が近いと、何かと物件に行きやすいです。これが数百km離れているところに物件があれば、頻繁にいくことはできません。でも少なくても同じ市にあれば、物件の状況をちょくちょく見に行ったり、何かトラブルがあったら駆けつけることも可能です。
それに管理会社との距離も近くなるので、募集や退去時の原状回復工事、それから入居者からクレームが発生した際になど、何かと連携がとりやすくなります。
このように居住地の近くで物件を購入するのはメリットが多いので、これから不動産投資をしようかなと検討している人にはぜひ参考にしていただきたいなと思います。
ただし、注意点もあります。居住地の地域が、極端に人口減少しているとか、分かりやすく地価が下がっているとか、そういったエリアなのであれば物件を買うのは一概におすすめできません。
いくらその地域のことを知っていても、物件の価値がどんどん下がってきてしまうと、今度は資産価値が減少してしまうリスクが高まるからです。
どこに投資するのか?というのは不動産投資では特に重要です。単に利回りがいいから、とか不動産屋さんに強く勧められたから、という理由で簡単に買ってしまうとあとあと大きく後悔するかもしれません。
購入する物件のエリアについては十分に調査して、慎重に決断するようにしましょう。
それでは本日はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございました。
株式会社 高野不動産コンサルティング 代表取締役 / 株式会社アーキバンク 取締役 COO / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など