不動産コンサルタントの髙野です。不動産投資にはいろいろな指標があります。物件の購入を検討する際、その指数ごとに高いか低いかをチェックして投資採算価格としてふさわしいかどうかの判断を行います。不動産投資の中でもより現実的な指標である「CCR」について解説します。
1、不動産投資のCCRとは
不動産投資におけるCCRとは「Cash on Cash Return(キャッシュオンキャッシュリターン)」を指します。大文字3つを取り、略して「CCR(シーシーアール)」と呼びます。CCRとは何かというと「投資物件を購入する際に使ったお金(自己資金)に対しての年間キャッシュフローの割合」のことです。キャッシュフローとは、不動産投資で収入から経費や税金、それから銀行への残債支払いをした後の手残りの金額のことです。つまり、CCRが高ければ高いほど、自己資金の回収率が高い。すなわち、不動産投資としては「少ない資本投入で高いリターンを得ている状態」になるので、結果として「良い投資」をしたということになります。
2、CCRの計算方法
CCRの計算は「年間CF(キャッシュフロー)/購入時の自己資金×100」となります。仮に、年間CFが500万円、購入時に使った自己資金が2,000万円だとすると、「500万円/2,000万円×100=25」。CCRは25%ということになります。これを単純計算すると4年間で使った自己資金は回収できる計算となります。
3、CCRとROIの違い
CCRとよく似た指標に「ROI」があります。ROIとは「投資に対する利益率」を指します。CCRはCFを自己資金で割りましたが、ROIはCFを「購入にかかった総額」で割ります。つまり借入金額も考慮してどのくらい利益が出ているかを計算するものです。
では無制限にCCRが高ければ高いほどいいのか、というと実はそうではありません。CCRが高くなりすぎるということは自己資金よりも借入金額の比率が高まるという状況です。そうすると他者資本が高まるので金利リスクも必然的に高くなります。
それでは本日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役 / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など