新築不動産投資で気をつけたい2つポイント

不動産系記事

不動産コンサルタントの髙野です。不動産投資の業界では「新築はやめとけ」とよく言われます。確かに不動産投資初心者が何も知らずに新築に手を出すと大怪我をする場合もあります。しかし、新築には新築のメリットもあります。たとえば融資期間。不動産投資の基本は融資を借りて物件を購入します。融資期間が長く取れれば毎月の返済額も小さく、CFが大きくなります。今日は新築不動産投資の大きなリスク2つを解説したいと思います。

新築物件は「高い」のが常識

まず、これは収益物件に限ったことではなく、不動産はすべて「新築は高い」のが常識です。というよりも不動産に限ったことではないかもしれませんね。車も洋服も、新車・新品は高いのが世の常です。ではどうして新築不動産は高いのでしょうか。少しでも安く購入する方法はあるのか、考えてみます。

開発業者の利益がのっている

新築不動産が高い理由、それはズバリ「開発業者の利益がのっている」からです。開発業者とはいわゆるディベロッパーのことで、土地を仕入れて開発し建物を建てて、販売する不動産業者のことです。この不動産業者の利益が販売価格に上乗せされているのです。そのため自分で土地を購入して建物を建てて不動産投資をするケースよりも最終的な価格が高くなる、という理屈です。

安く物件を買う方法

新築物件を少しでも安く買いたいのであれば、ギリギリまで指値交渉をするより他ありません。交渉をする際に、やみくもに安くしてほしい、といっても正直あまり効果はありません。割と効果があるのが、「開発業者の決算」のタイミングを狙って購入する方法です。開発業者の多くは法人、つまり会社です。上場している会社も多いです。そうすると、「今期中に売らなくてはならない」というようなケースが多々発生します。そのタイミングを狙って指値交渉を頑張ると、当初の売り出し価格より大幅に低い水準で物件を購入できるケースもあります。

想定賃料に踊らされない

新築不動産投資のリスクの2つ目が、「賃料想定が難しい」という点です。まだ入居前の物件でも、入居申し込みが入っていたとしても新築物件の場合は油断ができません。想定賃料の注意すべき点について解説します。

建築前の物件は注意が必要

新築不動産の中でも特に、竣工前であったり、まだ入居募集前の物件というのは非常に注意が必要です。というのも不動産投資で使う利回りは「家賃収入」をベースに算出します。その家賃収入の想定がいい加減であったり、もしくは相場よりも高い水準で想定されていると、結果その家賃では入居が決まらず下げて入居を埋めることになります。そうすると収入が下がるので当然利回りも高くなります。

新築物件を購入する際は、不動産会社が設定したレントロールを素直に信じるのではなく、一部屋一部屋の家賃査定を行って、「確かにこの家賃で募集したら申し込みが入るだろう」というところまで確信を持たないと危ないです。

賃料下落を考える

すべての部屋の申し込みが入っていたり、実際に入居中の物件なら安心かというとそうではありません。というのも、やはり新築物件には新築プレミアムというマジックがあるからです。「どうしても新築がいい」という入居希望者はたくさんいます。同じような設備、間取り、駅距離の物件でも「新築だからこの部屋にする」というケースは非常に多いのです。1回転目はいいとして、その入居者達が退去して次の募集をするときが本当の勝負です。そのときにどの程度家賃が下がるのか、近隣の物件もリサーチしながら賃料査定を行うことが必要です。

管理まで行う開発業者の物件がおすすめ

開発業者の中には、「開発して販売するだけ」の会社と「開発して販売後、管理までする」会社の2パターンあります。もちろん一概に言えないですが、私がおすすめなのは管理までする会社です。理由は、管理まで開発業者がする場合は、適当な家賃設定をしてしまうと、管理期間中にクレームが発生してしまうからです。「家賃がこんなに下がったじゃないか!」「全然入居が決まらないじゃないか!」とオーナーさんに怒られてしまうので、管理業務を前提にしている開発業者は家賃設定を固くみている傾向がある、と私は思います。

もちろん、管理までしてるからいい会社だ、とは一概には言えませんので、複数の会社で迷ったときの検討材料の一つにしてもらえれば幸いです。

まとめ:新築物件もうまく活用すれば効果的

新築の不動産投資について解説しました。「新築だから安心」と思う人もいれば、「新築は業者利益がのってるから論外だ」と思う人もいるでしょう。どちらの考えもありだと思います。ただ、新築には融資期間や入居率という意味では優位性があります。新築の不動産投資を検討する際には、将来的な賃料下落を考えたり、少しでも安く購入できるよう工夫する必要があるのかなと思います。

それでは本日はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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