不動産コンサルタントの高野です。
これから不動産投資を始めたい人、すでに投資をしているものの拡大方法について悩んでる人。そのような人たちの共通の悩みが「物件の探し方」ではないでしょうか。不動産投資ではどうやって物件を探すのが効果的なのか、今日は物件の探し方について解説していきます。
物件の探し方
まず、不動産投資において「物件を探す」というのは極めて重要です。はっきり申し上げて一番大事と言っても過言ではないと思います。良い投資案件と出会えた人は成功するし、変な物件を掴んだ人は失敗します。これは不動産投資に限りません。不動産投資において一番最初の難関は「いかにいい物件と出会うか」ということです。
探す前に一番大事なこと(投資戦略を定める)
物件を探し始める前に必ずやってほしいこと、それは不動産投資家として自分自身の「投資戦略をハッキリさせる」ということです。ロードマップと言い換えてもいいでしょう。何も考えずに不動産屋から勧められた物件を買う、という行為は非常に危険。すでに黄色信号です。不動産投資は、物件を探したり契約したりと様々な部分で不動産屋と関わりますが、あくまでも主体的に自分が「不動産屋を使う」という感覚を持つことが重要です。
投資戦略として最低限決めておきたいのは、目標にする資産規模、それから投資期間、この2つは必須です。たとえば5年で資産を5億まで増やしたい人と、5年で資産5,000万円まで増やしたい人では、買う物件の種類も規模も、背負うべきリスクだって変わります。
このように、不動産投資で規模を拡大していくには、まずは投資戦略をしっかり練り込むことが重要です。
公開物件と非公開物件
不動産投資において物件というと、まずは2つに分類されます。公開物件と非公開物件です。
レインズ(不動産業者のみが閲覧できる不動産情報システム)やポータルサイトに掲載されている物件のことを「公開物件」といいます。反対に、ネット等には一切出回っていない物件を「非公開物件」といいます。公開物件と非公開物件、どっちがいいのかという論争は常に巻き起こっていて、中には非公開物件しか検討しないという投資家もいます。
でも私の個人的な意見ですが、正直どっちでもいいんじゃないかと思います。別に公開物件でも指値(値引き交渉)して自分の投資戦略に合致すれば何の問題もありません。
ただ、1~2年といった「短期売却」を目的とするのであれば非公開物件の方がいいです。購入してからまた売却しようとする際に、公開物件だと過去にいくらで売られていたか分かってしまうので、購入検討者がつきにくくなるリスクがあるからです。そのような場合を除けば、公開でも非公開でもどちらでも良いでしょう。
探し方は主に2種類(インターネットと不動産業者)
不動産投資で物件を探す方法を大きく分類すると「インターネット」か「不動産業者」かの2種類です。もちろん併用して探している不動産投資家もたくさんいます。そしておすすめなのも両方併用することでです。インターネットを利用すれば多くの情報を収集できます。その分、投資分析する機会が増えるので物件を見る目を養えます。
不動産業者に依頼すれば、不動産業者が内々で保有しているレアな物件情報と出会える可能性があります。上手に両方併用するのが不動産投資における物件探しのコツといえるでしょう。
インターネットによる物件探し
不動産投資をしている、またはこれから始めたい人の多くがインターネットを活用して物件収集しています。インターネットで物件を探すことにより、非常に多くの物件を検証することができます。ここではインターネットを使った物件情報収集の種類について解説します。
ポータルサイトを利用する
インターネットを使った物件探しの代表といえばポータルサイトです。楽待や健美家などが特に知名度が高く物件情報も豊富です。自分が探している条件を登録しておけば、合致する物件が出た際には新着メールを受け取れるなど、効率よく使うことで幅広く物件情報を収集できます。とにかく物件の数が多いので、不動産投資をこれから始めようという人はまずは数をたくさん見て、1件1件シミュレーションしながら「見る目」を養えます。
不動産業者のホームページから探す
収益物件に特化している不動産会社は自社ホームページに物件情報を掲載していることがあります。ポータルサイトに掲載されている物件と全く同じかというと微妙に違います。ポータルサイトは掲載NGだけど自社ホームページは掲載OKにしている場合があるからです。
ここでも希望条件を登録しておくことで、条件に近い物件が売りに出されたら連絡をもらうことができます。ホームページを運営している不動産業者から直接連絡がくるので、情報伝達がスムーズです。ただ、あまり多くの会社に登録しすぎると、営業電話がたくさんかかってくるので、ストレスにならない程度に登録するのがおすすめです。
不動産業者のメルマガに登録する
投資用の不動産を扱ってる不動産会社の多くがメルマガを発行しています。メルマガでは物件情報を中心に不動産投資関連の情報が送られてきます。毎回いい物件が送られてくるとは限りませんが、不動産業者によっては毎日何通か情報を発信しています。
中にはまだ世に出回っていない水面下の良い投資情報もありますが、メルマガに登録している人はたくさんいるので、いい物件があったら素早く反応して資料請求、物件確認ができるスピード感が求められます。メルマガは、登録さえしておけば情報が自動的にどんどん送られてくるのがメリットです。
インターネットによる物件探しのメリットまとめ
インターネットで物件を探せばどこにいてもいつでも情報を収集できます。たくさんの情報の中から選択することができるのが最大のメリットです。一方、あまり色々なところに登録しすぎると情報が溢れすぎて細かく精査できない状況になりかねないので注意が必要です。
また、物件の良し悪しはあくまでも自分で判断する必要があるので、物件を見る目をしっかり養わないとよくない物件を購入して失敗する可能性があるので気をつけましょう。
不動産会社からの紹介
多くの不動産投資家が、物件探しの際は不動産業者から紹介を受けています。不動産投資物件の専門家だけあって、インターネットに載っていない非公開の物件情報を取得することができるだけでなく、良心的な不動産会社であれば、不動産投資に関するアドバイスや金融機関の紹介もしてくれます。ここでは不動産会社の探し方をいくつか紹介します。
不動産会社の探し方1:インターネットで検索
投資用不動産を扱っている不動産会社を探すには、インターネットの利用が便利です。検索エンジンで検索すると非常に多くの不動産会社がヒットします。また楽待や健美家などのポータルサイトに物件情報を掲載している不動産会社に、物件の資料請求とともに「他にも物件がないか」問い合わせをしてみるのも効果的です。
インターネットで探すと非常に多くの会社が出てくる分、いい不動産業者を見極めないといけません。
不動産会社の探し方2:セミナーに参加
投資用不動産を扱っている不動産会社の多くはセミナーも開催しています。セミナーでは不動産投資家のレベルに合わせた講義や個別相談が設けられているので、初心者から上級者まで様々な不動産投資家が参加できます。
注意してほしいのが、セミナーをしている不動産会社の多くが、本当に売りたい「バックエンド商品」をもっている点です。セミナー後の商品営業やサービス案内に負けて、本来の「物件探しを手伝ってくれる不動産業者を探す」という目的を見失わないように注意しましょう。
不動産会社の探し方3:先輩投資家から紹介してもらう
知り合いで不動産投資をしている人がいる場合は、知り合いから不動産屋さんを紹介してもらうのも効果的な手段です。ただし、実際に不動産投資で成功している人、うまくいっている人から紹介してもらうのが重要です。不動産会社のカモになってるような人から紹介してもらっても、いい物件は紹介してもらえないでしょう。先輩投資家から不動産会社を紹介してもらう際は、その人が実際どのくらい不動産投資で利益を上げているのかチェックするのが重要です。
不動産業者を使った物件探しのメリット
不動産業者を使って物件探しをする最大のメリットは、インターネットに載ってない非公開物件を紹介してもらえる可能性が高いことです。また、専門的観点からアドバイスをもらえるのもメリットです。でも気をつけて欲しいのは、不動産会社は物件を「買ってもらいたい」ということ。不親切な不動産業者につかまってしまうと、実はよくない物件を「この物件はいいですよ!」と強くプッシュされて、流れで変な物件を掴んでしまうリスクがあります。
不動産会社に物件探しを依頼するときは、情報収集は依頼するけど自分の頭で考えて決断する。ということを決して忘れてはいけません。不動産会社はあくまでも情報収集において利用する、くらいに考えておくと良いでしょう。
まとめ
これから不動産投資をやってみたい、既にやっているけどさらに規模を拡大したい、どうやっていい物件を探したらいいのか分からないという人を対象に解説しました。
言うまでもなく、不動産投資では物件選びは超重要です。リスクが高く収益性が低い物件を購入してしまうと、挽回するのは非常に大変です。とにかくたくさんの情報を得て、そしてしっかりと自分の頭で考えて物件を購入する、これが成功する不動産投資家になるためには特に重要です。
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役 / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など