本日は弊社のお客さまである投資家の方と一緒に、物件現地と管理会社訪問のため静岡県沼津市へ行ってきました。
現地に行くと、お客様の物件は鉄骨造なのですが、関東ではあまり見ないような状況に劣化してしまってました。
どうしてそうなるんだろう?と考えていたのですが、どうやらこれは「塩害」によって影響が起きている可能性が高いみたいです。
ということで今回は塩害についてブログを書き進めてみたいと思います。
塩害被害とは
塩害とは普段はあまり聞きなれない言葉かもしれません。
初耳という人もいるでしょう。いや、海の近くに住んでいない方にとってはそれが普通です。
塩害というのは「海の潮風の影響で起こる建物の劣化」のことです。
潮風というのは、通常の風と違って塩分を豊富に含んでいます。その塩分を含んだ風が建物に当たることで、通常よりも早く建物が腐敗したりサビついたりしてしまうわけです。
どうして塩害が発生するのか
鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物は、中の骨子には鉄筋や鉄が入っています。この鉄筋や鉄が塩分の影響を大いに受けて膨張してひび割れ等を引き起こしてしまうのです。
特に建物の周りに他の建物が立っていない場合、ダイレクトに潮風を浴び続けるので、通常の建物よりも劣化のスピードが早くなります。
塩害の影響を受ける距離
では、海からどれくらいの距離に建物があると塩害の影響を受けやすいのか。
「このくらい離れていれば塩害被害は受けないよ。」というリアルな数値はありませんが、一つの指標として、海岸から500~7,000mくらいの距離は「塩害地域」と呼ばれています。
※もちろん7,000m離れてば安心!とは一概に言えませんのでご注意を。
実際に確認してみたところ…
お客様の物件の写真をブログに掲載するのはさすがに良くないので、何かいい例がないかなぁと考えていました。
どうしようかなぁ〜と歩いて駅に向かいながら歩道橋を上ったそのとき、まさに塩害の被害を受けまくっている階段に出会いました。
すかさずその写真を撮ってみたのでアップしてみます。
アップにすると…ぽっかり穴が空いてます。
ちなみに実際に被害を受けていたポイントと海との距離は約1.6kmくらいでした。
ざっくりですが、GoogleMAPで距離を測定するとこんな感じ
塩害被害が不動産投資に与える影響
塩害被害は不動産投資に対して大きな悪影響を及ぼします。
ですから、海の近くの物件を買おうとしている人はしっかりと塩害被害のリスクも踏まえて検討しましょう。
キャッシュフローの悪化
塩害被害が発生すると通常よりも建物の劣化が早くなります。そのため、早め早めに修繕の手を加えなくてはなりません。
建物が大きい場合、補修や塗装をするために足場を組む場合もあります。そうなると金額は1,000万円とか余裕で超えてくるので、想像以上に支出が多くなってしまい、不動産投資のキャッシュフローが悪くなることが容易に想像できます。
所有者責任が問われる可能性
劣化をとめるために早め早めに対処できればいいのですが、そうでない場合。例えばお金がなくて補修とか塗装が出来なくて、そのままにしてしまっているケースなど。
かなり危険です。
やらないのは所有者の勝手ですが、建物を人に貸していて、そこに人が住んでいるのなら、建物の劣化により入居者が怪我でもしたら、所有者の責任を問われる可能性が高い。
被害の額によっては、大規模修繕費用なんて比較にならないのほどの損害賠償責任を負う可能性があります。
売却時に損をする
投資用不動産を購入する場合、通常の検討者なら必ず物件現地を見に行きます。
その際に、ボロボロで劣化が著しい箇所を見つけたら、その分を踏まえて指値交渉をしてくるのが普通です。塩害被害が大きい物件を買ったために、そのような指値(減額)交渉をされて、結果低い金額で手放さなくてはならない、、ということになる可能性が高いです。
最後に
今日は塩害被害について買いてみました。
私のお客さまは全国で物件を持っている方が非常に多いので、中にはこのような塩害被害を受けているケースもあります。
不動産投資において、このような災害リスクとか建物リスクというのは非常に重要なポイントなので、物件を買う前には必ず自ら出向いて物件の細部をチェックしてから決断するようにしましょう!
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役 / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など