不動産コンサルタントの高野です。
アパートの空室問題で悩んでいる大家さんの中には、「空室を埋めたい!けどなかなか決まらない…あんまり管理会社にしつこく電話するのもなぁ」と、管理会社とのやりとりにモヤモヤしている人もいるのではないでしょうか。
気持ち的には、1日も早く満室になってほしい!管理会社はちゃんとやってるのか!と思っていても、なんとなく遠慮して連絡をためらってしまうことありますよね。
今日はそんな大家さんに向けて、管理会社に連絡する頻度について解説していきます。
結論:空室が多いなら毎日電話したってOK!
最初から結論を申し上げますと、もしも空室が多いのならば、毎日だって連絡してOKです!というかするべきだと思います。
なぜかというと、管理会社と大家さんは管理委託契約で結ばれていて、大家さんは空室を埋めることを仕事として頼んでいるからです。空室が埋まっていないなら、管理会社として対応するべきですし、対応していたとしても状況を説明する義務はあるわけです。
ですから、基本的にどんな頻度だろうと連絡してOKです。
たとえば「今日は問い合わせあった?」「先日案内してくれた家族の人たちはその後どう?」みたいな何気ない会話だったら、ものの数分で終わります。
大家さんは不動産というご自分の大事な資産を預けているわけですから、気になって当たり前なのです。なので、特に頻度は気にせず、気になったらすぐ確認の連絡を入れてOKです。
どんどん電話しましょう。
そもそも何で大家さんが連絡するのをためらうのか
そもそも何で大家さんが管理会社に連絡するのを躊躇してしまうのか。私の知り合いの大家さんにも管理会社に連絡するのが気が引けるという人はいます。
みなさん「だって忙しそうだから」「仕事の邪魔しちゃ悪いから」「案内中だったら申し訳ないから」と言ったことをおっしゃるんですね。本当に「優しすぎ」です。そんな気を使わなくていいのです。
管理会社の人間だって電話に出られないときはあります。例えば接客中、契約中、そんな時は電話に出たくたって出られません。なので気にせずどんどん電話して、落ち着いたタイミングでかかってくる担当者からのコールバック(折り返し電話)を、お茶でも飲みながら気長に待ちましょう。
頻繁に連絡するメリット:管理会社のやる気を出させる
管理会社に連絡して状況確認することはマイナスどころかプラスの面もあります。管理会社には管理物件がたくさんあって、非常に多くの大家さんを抱えています。大家さんの中にも本当に色々な種類の人がいます。中には全く連絡をしてこない大家さんもいます。逆に、1部屋でも空いたら怒涛の連絡をしてくる大家さんも。
管理会社からするともちろんあまり連絡してこない大家さんの方が助かります。なぜならなるべく怒られたくないから。でも全然連絡してこない大家さんと、毎日のように状況確認の電話をしてくる大家さん、どちらが力を入れて客づけをするのかというと、多くの管理会社は後者だと思います。
「あの大家さん、満室にしないと毎日電話かかってくるからなぁ」という気になるわけですね。私も昔現場で管理をしていた頃に、空室が発生すると毎日電話をかけてくる大家さんがいました。特に感情的に電話をしてくるわけではないのですが、とにかく毎日電話をかけてきます。それも、かける時間が毎日バラバラで。そうすると正直言って他の仕事に支障が出てきます。かといって大切なお客様ですから無視するわけにもいきません。
もちろん、他の物件も全力で客づけしていましたが、その大家さんの物件は特に頑張って決めてました。他のスタッフや客づけ業者さんが案内に行っている最中も、「どうにか決まってくれ!」と社内から念を送っていたくらいです。笑
それはちょっと冗談ではありますが、やっぱり適度に連絡をして、管理会社との間に適度な緊張感のある関係性を保っておくのも、賃貸経営には外せない立派なスキルだと思います。
なので、確かに連絡しすぎて明らかにちょっと管理会社が嫌そうな感じだな~と思っても、それ以上に客づけを頑張ってくれる可能性が高いわけですから、やはり遠慮せずにどんどん電話をしましょう。
連絡しすぎるデメリット:面倒くさがられる可能性がある
頻繁に連絡しすぎるデメリットとしては、管理会社の担当者から「面倒くさい大家さん」と思われてしまう「可能性がある」ことです。ただしこれは可能性であって、必ずしもそうだとは限りません。どういうことかというと、頻繁に連絡してくる=面倒くさい人、というわけではないからです。
そもそも空室問題というのは、大家さんだけの問題ではなく管理会社の問題でもあります。ですから、空室を解決しようとするのは大家さんと管理会社の共通ミッションなんです。そのため、管理会社と大家さんが空室問題に対して向き合い一緒に解決しようとするのは正しい姿勢です。
ではどうして「面倒くさい大家さん」になってしまうかと言うと、連絡内容が理不尽だったり、その後のケアがないからです。
考えてみてください。毎日17時きっかりに大家さんから「なんで決まらないんだ!」と怒りの電話がかかり続けたとしましょう。その電話って何の生産性もないし誰も得しません。私だったら、ちょっと着信拒否したくなるかもしれません。。きっと皆さんもそうではないですか?
頻繁に連絡するからと言って、毎回頭ごなしに怒ったり高圧的な態度をしてはいけません。そうすると管理会社から確実に「面倒くさいオーナー認定」されて、雑な対応をされてしまうかもしれません。
連絡する内容をあらかじめ決めて、その内容の確認のための電話をするのがおすすめです。
それと無事に満室になったり目標の入居率に達したら、手土産の一つでも持参して労ってあげましょう。そうすれば確実に面倒くさい大家さんとはなりません。むしろ、一緒に頑張って空室を乗り越えた同士の大家さん、というイメージに変化するはずです。
管理会社と連絡を取り合う仕組みを作ろう(定期ミーティング)
管理会社に連絡しようかどうしようか、と迷っている人は、連絡を取り合う仕組みをあらかじめ作っておくのがおすすめです。
たとえば「私はこの空室がとても心配だから、悪いけど二日に一回くらいは夕方電話させてもらうね」と言った形で、あらかじめルール決めをしておくのです。
そうすれば管理会社の人も「いつも突然連絡してきて仕事の妨害をする」という印象は持ちません。むしろ「〇〇時に〇さんから電話があるから、今日の問い合わせ件数を確認しておこう」と事前準備ができます。
また、管理会社と定期的なミーティングを恒例化してしまうのもオススメです。例えば週に一回や月に一回など、定期的に面談を行う予定をあらかじめ決めてしまうのです。最近はオンラインによる面談も一般的になってきましたし、スマホとWi-Fi環境があれば、いつでもどこでもミーティング可能です。
そこまで入居状況が悪くない、ということでしたら月に一回くらいの定例ミーティングがオススメです。
もしも入居状況がとても悪く早急に改善が必要なのであれば、週一ペースくらいで実施するのも効果的です。「言わないと動かない」という悪しき習慣が根付いている管理会社もありますので、そのような場合は期間を短く積極的な定期ミーティングを行なって、管理会社をうまく動かしましょう。
補足:週間報告書や月間報告書も有効
管理会社から状況報告を受けるのに、「こちらから連絡をする」というのももちろん有効ですが、「管理会社から連絡させる」という仕組みを作ってしまうのもオススメです。
そこで役に立つのが「報告書」というツールです。空室物件に対する問い合わせ件数や案内の件数、それから案内の結果などをまとめた報告書を管理会社に作ってもらいます。報告書と言ってもそんなに難しいものではなく、各数値が記載されている簡単な一枚の資料でOKです。その資料があると、管理会社もサボっていたら数値でバレてしまうので一生懸命やりますし、大家さんも数値で状況を把握しやすくなります。
また、その報告書自体が大家さんと管理会社の接点になってくれます。無理に連絡をしようと思わなくても定期的に報告書があがってくればそれをきっかけに会話がしやすくなります。
実際に実施している大家さんや管理会社は多数いますので、是非やってみていただければと思います。
まとめ
本日は管理会社と大家さんの連絡頻度について解説しました。
「連絡したいけど、しすぎるのもなぁ…」という心優しい大家さんは、是非本日お話した内容を賃貸経営に取り入れてみてください。
気を遣ってばかりでは空室は決まりません、空室が決まらないと損をするのは結局大家さんです。管理会社とは適度な緊張感を保ちつつ、満室に向けて一緒に頑張っていくのがベストな賃貸経営だと思います。
それでは本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
当社では空室対策に関するアドバイスやコンサルティングを実施しています。相談は無料です。ちょっとでも興味を持っていただいた人は、お友達に連絡する感覚でお気軽にこちらからどうぞ。
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役 / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など