不動産コンサルタントの髙野です。
これから不動産投資をする人、もしくは既に投資していて規模拡大を狙っている人、そんな人たちの共通の悩みとして「どこに投資をするのか」という立地問題があります。要するに「都心部」か「地方」かということです。都心がいいのか、地方がいいのか、これはそれぞれメリット・デメリットがあるので一概に言えるものではありません。また、その人が住んでいる場所や、保有している不動産の状況によっても異なりますよね。
大原則として、都心より地方の方が利回りは高くなります。同じ規模で同じ築年だった場合。これはリスクとリターンの考え方からです。地方の方が当然空室リスクや家賃下落リスクなど、不動産投資でのリスクは都心に比べて高くなります。リスクが高くなる分、リターンも高くなる。したがって、地方の方が都心よりも利回りが高くなるわけです。これはもう大原則ですよね。
CFを多くとるためには、リスクの低い都心だけで探すよりも、効率よく地方の物件も検討した方がいいでしょう。実際に都心と地方の両建てて物件を保有している投資家さんも非常にたくさんいます。
ただ、地方の物件というのは上述した通りリスクが高めです。失敗すると、家賃は下がるし空室率も高くなるし、それでいて売ろうと思っても売れなくなった、いわゆる「手詰まり」の状態になる可能性があります。では地方の物件を購入するときに、どのような点に最低限気をつけるべきなのか。
一番分かりやすいポイントとして私がよく言うのが、「土地値変動のチェック」です。これは購入しようとしている物件の土地値が過去10年間でどのような推移をしているか、これをチェックして欲しい、そういう内容です。「地方=過疎化」というイメージがあるかもしれません。ただ、これは一般論で、実際には地方でも右肩上がりで土地値が上がっている場所もあります。
実際に先日北海道のある物件を契約したのですが、そちらは過去10年間で土地値が80%も上昇してました。北海道といっても札幌の中心、一等地といったことではなく、ごくごく普通の住宅地です。でも土地値を検証すると10年間で右肩上がり、その投資家さんが購入した時点と比べても、かなり上昇しています。
建物は年数の経過とともに価値は下がります、これはいたしかたありません。ただ、土地値は地域ごとに推移が全く異なります。この推移を見逃さずに、購入にチェックすることが非常に重要です。そうすると、いざ売却しようとした際に建物価値減少の分を土地の価値上昇が補填して、大きく値下がりをせずに売却できたり、結果購入時よりも高く売れたりするケースが出てくるわけです。
あと、土地値をチェックすることは他にもメリットがあります。土地値というのは何も適当に決まっているわけではなく、毎年不動産鑑定士が調査をして、「公示地価」「基準地価」など色々な土地値の指数が発表されます。この地価が上がってるということは、概ね「人の土地の利用が増えている」と考えて問題ありません。人がいない、人が使っていない土地の価値が上がっていくことは考えにくいので、土地値が上がっているとことは、それだけ人に利用されているということにもなるのです。そうすると、入居の空室率も低く抑えられるし、入退去の度に家賃を下げ続ける必要もなくなります。(ただし、これは他の競合物件の数にもよるので一概には言えませんが。)
地方の物件は利回りが高くCFが出やすいのが魅力の一つです。そのため、地方で物件を探している人も多いのですが、地方物件を検討する際には、今日お伝えしたような「土地値の過去から現在までの推移」をチェックしておくと、大きな失敗には繋がりにくいので、おすすめです。
それでは本日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役 / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など