不動産投資で勝つ方法は、なんだかんだ泥臭い努力だったりする。

不動産系ブログ

不動産コンサルタントの高野です。

先日面談をした個人投資家の方で、久しぶりに「おぉ、この人はすごいな!」と思わされるお客様がいました。

その人は今は東京に住んでいないのですが、元々は東京を拠点に活動していた不動産投資家さん。

不動産投資家さんと言っても、本業は別にあってサラリーマンをやりながらコツコツ資産を形成してきたタイプです。

その人の保有物件は、数でいくと大体30棟くらい。

投資用不動産を30棟って聞くと、多くの人は「すごい!」と思うんじゃないですかね。

でも我々はこういう商売をしているので、毎日多くの投資家さんと出会います。

そうすると、1人で20棟とか30棟持っている投資家さんって案外いるんですね。

(その物件がうまく運用できているかどうかは別問題として、です。)

なので30棟というだけでは、もちろんすごいことだけど、そこまで驚かない。

だって上には上がいるから。40〜50棟持っている人もそこそこいる世界なので。

で、今日はその人の何がすごいのか?という話をしたいと思います。

今日の話って多くの不動産投資家さんにとって当てはまるんじゃないかなって感じます。

まず、その人がすごい点は大きく3つあるのかなと思いました。

・自発性

・行動力

・継続力

何がすごいって、その人はその物件1棟1棟を、「自分で」探してきて、さらに融資を出してくれる銀行も「自分で」探してきて物件を購入しているんです。

通常、というか多くの不動産投資家さんは、不動産会社から物件情報をもらって検討します。融資を出してくれる銀行も、不動産会社が探してくれることが多いです。

探すというよりは、不動産会社と提携みたいな関係になってるので、この不動産会社にはこの銀行、みたいな関係性のもと銀行を紹介してもらえます。

なので多くの人はこの流れに乗って、同じ不動産会社で同じ金融機関で何棟も何棟も物件を買い進めていくのが、ある意味セオリーみたいな感じです。

ところがその投資家さんは、まず不動産会社に頼らない。

30棟も持っていて、2つとして同じ不動産会社から買ったことはないそうです。

ではどうやって物件を探していたのか、情報を取得してきたのか、というと、それはアットホームや楽待など、誰もが使えるポータルサイトをフル活用していたというのです。

そして気になった物件があれば、問い合わせをして現地確認し、購入するかどうかのジャッジを自分自身でおこなう。

この繰り返したったそうです。

どうしても不動産会社に頼っちゃったほうが楽なんですよね、でもそうしなかった。賢明だったと思います。

多くの不動産会社は、その人にとって「必要な物件」ではなく、自分が「売りたい、買ってもらいたい」物件を猛プッシュしてきます。

だから不動産会社に紹介された物件が必ずしもいい物件とは限らないんですよね。

でもある程度仲のいい不動産会社に紹介されてプッシュされると断りにくくなってしまう人が多いです。

もし断ってしまうと、次の物件を紹介してもらえないんじゃないか、なんて気を遣う人もいますよね。

でも不動産会社頼りになってしまうと、本当にいい物件は買えないんじゃないかと思います。

その点その投資家さんはすごいなって痛感しています。

不動産会社に頼らず自分で探して考えて、指値をしっかりして納得のいく金額で物件を購入する、素晴らしい動きだと思います。

まさに自発性ですよね、なかなかできない動きだと思います。

金融機関も同じくです。ただ、金融機関の場合は物件によって金融機関が変わる、ということはなく、初動の段階である程度銀行のネットワークを開拓しておくのが肝心です。

そのためその投資家さんは、徹底的に当時の金融機関のリストを作り上げ、会社の昼休みを使って、片っ端から電話をして融資の打診をしていたそうです。

まさに休み返上してそこに全力を注いでいたとのこと。

やはり一見さんなのでほとんど門前払いで面談のアポが取れるのも数%の割合という狭き門です。

それでもその人は諦めず、毎日毎日コツコツと昼休み中に電話をかけまくって、金融機関との接点を模索していました。

これもやっぱりすごい、毎日毎日ですよ、この継続力は本当に真似したいくらいです。

そして物件を買った後もすごいんです。

普通、物件購入後は特段大きな動きをしない人が多いんですが、その投資家さんは違う。

なんと、ある程度の規模感になってきたら、そこから一気に「低金利な金融機関へ借り換え」を実施するわけです。

当時不動産投資というと、地銀なんかが「アパートローン」という名目で商品化していました。今もありますが、数年前はもっとたくさんありました。

なので条件さえあえば融資は引きやすい。条件というのは不動産、それから借りる人、両方です。

ただ、借りやすい反面、金利が高かったんですね。商品化されているので金利がほぼ決まっている。大体3〜4.5%くらいが相場でした。

その投資家さんは、一旦借りやすい地銀のアパートローンで土地評価が出やすい物件を積極的に買い進め、そこから信用金庫などのオーダーメイドで融資を出してくれる金融機関へ一気に借り換えをしていきました。

その結果、最初は全体が大体3.6〜4.5%くらいの金利ばかりだったのに、一気に全体で1%以下にすることができました。当然キャッシュフローは格段に上昇です。

購入してからここまで積極的かつ貪欲に行動している投資家さんというのは非常に珍しいと思います。

ここまで購入を進めてきて、その人は30棟ほどの物件を所有して専業大家さんとなりました。

よく不動産投資業界って、資産〇〇億円突破!とか50棟保有で早期リタイア!とかって本とか情報が出回ってますけど、あれって本当に一部の人だけです。

今日紹介した投資家さんみたいに、血の滲むような努力を継続してきた人だけが、最終的に成功する世界なんだと思います。

その人だって、今でこそ安定しているけど、ここに来るまでの道のりは厳しく、辛い毎日だったと言っていました。

そりゃそうですよね、同僚がランチに行ってる間に、日中しかできない金融機関へ電話という作業を必死で続け、同僚が飲みに行ってる間に必死に物件を探し続け、さらに休日、皆が遊びに行ってる間に物件を見に行き続ける、この繰り返しですから。

よっぽど覚悟がないと中途半端になってしまいます。

その覚悟を決めて行動し、自発的な努力を継続したことで大成功しているわけですから。

やっぱり不動産投資で成功するには、人脈やお金も重要ですが、なんだかんだこの泥臭い努力が大事なんだなぁと痛感した出会いでした。

あと、この件は決して不動産投資業界だけでなくて、ビジネス全般に言えることなのかなとも思います。

その投資家さんとの話の内容には自分自身にも言えることがたくさんあったので、私も気を引き締めてビジネスに励んでいこうと思いました。

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