年収が2,000万円を超えるような所謂高所得者の皆さんは、毎年の所得税の額に頭を悩ませているのではないでしょうか。
特に、この確定申告の時期になると、その納税額の高さに改めてがっかりされる方も少なくありません。
しかし、そんな高所得者の方々にとって、非常に有効な節税手段となり得るのが不動産投資です。
今回は、不動産投資がなぜ節税に効果的なのかを解説します。
不動産投資とは、マンションやアパート、オフィスビルなどの不動産を購入し、それを賃貸に出して得られる家賃収入や、不動産の売却益を目的とする投資のことを指します。
不動産投資の魅力は、安定した収入源となり得る点と、不動産価値の上昇によるキャピタルゲイン(資産価値の上昇)を期待できる点にあります。
不動産投資が節税に効果的である理由は、主に「減価償却費」の計上と、「給与所得との損益通算」にあります。
減価償却費とは、不動産などの資産が時間の経過とともに価値が下がる(減価)ことを会計上で認め、その価値の減少分を「経費として計上できる仕組み」です。
この減価償却費を計上することにより、不動産投資から得られる収入に対する課税所得を減少させることができます。要は、この減価償却分は実際に手元からお金が出ていくわけではないのに、所得から差し引くことで、課税対象になる部分が格段に下がる、そういった意味合いです。
また、不動産投資による収入が赤字(損失)の場合、その赤字分を給与所得など他の所得と通算することができます。これにより、全体としての課税所得が減少し、結果的に所得税が低くなるのです。
特に、耐用年数が切れた木造アパートなどは、減価償却の計算上、その効果が大きいため節税対策として非常に有効です。
不動産投資には多くのメリットがありますが、注意すべき点もあります。
例えば、不動産の価値が予想外に下がるリスクや、入居者が見つからず収入が得られないリスクなどが挙げられます。
また、不動産投資には初期投資が大きく、流動性が低いという特性もあります。
したがって、不動産投資を行う際には、これらのリスクを十分に理解し、自分の資産状況や将来設計と照らし合わせて慎重に判断することが重要です。
また、不動産投資を始める際には、適切な物件選びが非常に重要です。
立地条件、物件の状態、市場の需要と供給、将来の価値予測など、多角的な視点から物件を評価することが成功への鍵となります。
不動産投資は単に節税を目的とするだけでなく、長期的な資産形成や収入源としての可能性を秘めています。
税制の利点を活かしながら、リスク管理をしっかりと行い、賢明な不動産投資を心がけることが大切です。
さらに、不動産投資に関する知識を深めるためには、専門家のアドバイスを受けることも重要です。
税理士や不動産投資の専門家に相談することで、より具体的で実践的な節税策や投資戦略を立てることができるでしょう。
確定申告の時期になると、多くの人が税金の負担に悩まされます。
しかし、適切な知識と戦略をもって不動産投資に臨むことで、税負担を軽減し、財産形成に役立てることが可能です。
不動産投資は、高所得者にとって有効な節税手段であり、同時に将来の安定した収入源を確保するための手段となり得るのです。
不動産投資の世界は奥深く、適切な対策と戦略が成功への鍵となります。節税だけでなく、資産形成を目指す不動産投資に、今年こそは是非挑戦してみてはいかがでしょうか。
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役 / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など