不動産コンサルタントの髙野です。
前回のブログでは、「管理会社の原状回復工事費が高すぎる理由」についてお話しました。
今日は、どうやったら少しでもできるのか?という点を説明します。
見積書の金額を大幅に下げる方法
前回お話したように、管理会社からの見積りというのは、色々な理由で高めに設定されています。
ちなみに前回のブログを読んでいない方はこちらからご覧ください。
では、どうやったら見積り金額を下げることができるのか、今日はポイントを絞って説明します。
「一式」という表記はダメ。「単価」と「数量」を分けよう
まず基本中の基本の話です。
数量と単価が「一式」となっていませんか?
よく分からないという人は、管理会社から送られてきた見積書を見てください。
どうでしょうか?「一式」となっていないでしょうか?
もしも一式となっている場合は、直ちに管理会社に変更を求めましょう。
理想的(というか普通は)な見積書は、数量と単位の記載が記載されています。
例えばクロス張り替えの場合、数量「〜㎡」で単価「〜円」と明確に記載されている。これが理想的な見積書です。
もしも数量が「22㎡」で単価「1,300円」と記載されていれば、数量と単位が明確ですよね?
なので、単価が妥当かどうか、実施する数量が適切かどうかの判断がつきやすいです。
しかし、「一式」と記載されていると、施工単位と数量が分かりません。よって、金額が高いか低いかの判断がそもそもつきません。
イメージがつかない人は下記の図を見てください。
これがいい例 ↑
単価と数量が買いてらうので分かりやすいですよね。
次にこれが悪い例 ↓
どうでしょうか?これだと単価と数量が分からないので、高いのか安いのかまったく判断できません。
もしもこんな見積りが送られてきてる人は直ちに管理会社に改善を求めてください。
必ず写真を送ってもらおう
管理会社によっては写真も送ってこないところがあります。
基本的にオーナーさんは現地に行かないので、部屋の状況を確認しているのは管理会社です。
であれば、どのような状況だから修繕が必要なのか、その判断をするためには写真は必須です。
もしも見積書と一緒に写真を管理会社が送ってこない場合は、必ず写真を送ってもらってください。
そうすれば「ここは確かに傷が目立つから修繕が必要だ」とか、「いやいや、ここはそんなに気になるレベルじゃないから現状のままでいいよ」という判断がしやすくなります。
入居者負担かオーナー負担の見極めをしっかり
前のブログでも書きましたが、部屋の原状回復工事の費用負担者というのは、「オーナー」そして「入居者」です。経年変化や自然損耗の部分はオーナーが負担しますし、入居者の故意または過失による部分は入居者負担ににります。
なので、そもそも見積り項目について「これはオーナーがやるべき項目なのか?」という意識を持って確認するのが大事です。
「そんなのどっちか分からない」という人は、「普通に住んでてつく傷や汚れか?」というイメージを持ってもらえればOKです。
まずは項目ごと一つずつ負担区分を確認していくと良いでしょう。
工事内容が「必須」が「やった方がいいレベル」なのか判断しよう
これも前回のブログで書きました。
管理会社は必要のない内容でも、とりあえず何でもかんでも見積りに入れいきます。
それはなぜか、理由は簡単で、それが管理会社の大きな収益源だからです。
よって、何も言わなければ当然のように金額が大きくなります。
重要なのは、その工事項目が「必須レベル」なのか、それとも「やった方がいいレベル」なのか?です。
必須レベルといのは、その修繕をしないと次の入居者が決まらない内容です。
やった方がいいいレベルは、やれば見栄えがよくなるけれども、別にやらなくても入居者を決められるレベルのものです。
「いや、部屋をすごい綺麗にして入居者の満足度を上げたいんだ」という方はそれでもいいと思います。
ただ、不動産投資も賃貸経営もどちらの「事業」です。つまり利益をしっかり確保しなくてはなりません。
そして管理会社は何も言わなければ前述の通り「やった方がいいレベル」または「別にやらなくてもいいレベル」の内容もどんどん入れていきます。
事業の利益をしっかり守りたいと言う人は、必ずその工事が「必須」かそうでないのか、そのイメージを持って見積りチェックをしていってください。
それだけでも大部分が削減できる可能性が高いです。
以上、今回は管理会社からの見積り額を下げる方法でした。
また書かせてもらいます。
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役 / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など