不動産投資、築年数が古い物件を購入するデメリットは?

不動産系ブログ

不動産コンサルタントの高野です。

不動産投資をしている人の多くはキャッシュフローがまわる物件、つまり利回りがいい物件を求めます。

なかなか築浅で利回りがいい物件というのは少なくて、築年数が古くなればなるほど利回りが上がってくるのが相場です。

そのため、一棟不動産で高利回り物件を多く保有する人の中には、保有物件は築古ばかり、なんてことも珍しくありません。

築古物件を持つメリットはやはり利回りがいいことです。あと築浅に比べて物件価格が安い。

じゃぁデメリットは何?と聞かれれば、多くの人が「修繕リスク」や「流動性リスク」、あとは「リーシングリスク」といったことが頭に浮かぶのではないでしょうか。

まぁ、分かりやすい築古のデメリットですからね。

でも、築古物件のデメリットというのは上に挙げた内容だけではありません。

特に気をつけてもらいたいのは、「次の物件を買うときに金融機関からの評価が下がる」可能性があるという点です。

これは金融機関側の話で、あまり一般的な話ではないため金融機関と話をする機会が少ない人にはピンとこないかもしれませんね。

どういうことか説明しましょう。

まず最初に、どうして金融機関からの評価が悪くなってしまうのかというと「資産が債務超過状態」だと思われるからです。

建物には法定耐用年数というものが存在します。木造なら22年、鉄筋コンクリート造なら47年というあれです。

築年数が35年経過している鉄筋コンクリート造のマンションがあった場合、残りの耐用年数は12年になりますよね。(47年-35年=12年)

で、仮にその物件を35年の融資を組んで購入したとします。

すると、建物の耐用年数は12年で終了しますが、その時点で融資期間はまだ23年残ってます。(35年-12年=23年)

つまり、12年で資産としては0円の価値になってしまうのに、負債だけは23年間もこの先も継続する、そういう状態になってしまうわけです。

資産はないのに負債だけ残っている状態。これが債務超過の状態だとみなされてしまうのです。

いや、もちろん耐用年数はあくまでも会計上の数値ですから、実際には耐用年数が終了したからって建物が消えて無くなることはありえない。建物は存在し、資産はちゃんと残ってます。

それに耐用年数経過後だって入居者は普通に住み続けるわけですから、賃料という名の収入が入ってきます。なので資産として価値が0円ということはありえない話です。

しかし、会計上つまり帳簿上の数値で見ると、たとえどれだけ収益を生む不動産だとしても耐用年数を超過していると「建物の価値は0円」とみなされてしまうのです。

全ての銀行というわけではありませんが、耐用年数を超過している物件は債務超過だと評価する金融機関が一定数あります。

そうなると、次の物件を購入しようと相談したとしても「この人のバランスシートは債務超過」と判断されて物件に融資を出してくれなくなります。

実際に関東地銀のT銀行さんや、Y銀行さんなどはこのように評価する傾向があります。

今後不動産投資を拡大していこう!と思っている人は、このような融資を攻略するための戦略も非常に重要になってきます。キャッシュフローがいいからといって築古物件ばかり買い進めていくのは融資面からリスクはありますので、ぜひ気をつけてもらいたいなと思います。

タイトルとURLをコピーしました