不動産コンサルタントの髙野です。
弊社は投資用不動産の購入と売却、双方をサポートしてます。最近は売却サポートの方がやや多い状況です。
売りたいとご相談にくる人の中には、「物件を売りたいのに売れない」という事態に陥っている方が一定数います。
今日も数組の方と面談をしました。その中にもまさに、売却したいのに売却できない…そんな状況の人がいました。
これは不動産投資独特のリスクである「流動性リスク」というものです。
今日は流動性リスクとは何か?について触れてみたいと思います。
不動産の流動性リスクとは何か?
不動産投資には様々なリスク、言ってしまえば「危険な要素」が含まれてます。
あまり詳しくない人が不動産投資リスクを知らずに物件を買って、後々大変な思いをしてしまう、というケースはよくあります。
不動産投資には色々リスクがありますが、中でも流動性リスクというのは気付きにくいので結構やっかいです。
流動性リスクとは、一言で言うと「不動産を換金(現金化)できなくなるリスク」です。
もっと分かりやすく言うと「売りたい時に売れない状況になるリスク」、まさにこれです。
不動産というのは基本的に相対で取引をするものです。
売りたいと思ったら、相手(買主)が必要。
当たり前のことだと思うかもしれませんが、そうでもありません。
例えば、不動産以外の別の投資を想像してください。
株式はどうですか?
上場されている株式を取引をするときって、誰か特定の相手はいませんよね?
その相手が買ってくれないからと言って売却できなくなることはないはずです。
だから売りたいときに一方的に売れるし、自分の判断で買うこともできる。
なので相手がいなくても取引が可能です。
その点、不動産というのは不動産という現物があって、その現物を売りたい人と買いたい人が存在し、条件がマッチし交渉成しないと取引が成立しない、そのような特徴があるものです。
流動性リスクが高い物件の特徴
ではどんな物件は流動性リスクが高いのか?
これは非常にシンプルです。逆算して考えればいいのです。
人が「買いにくい物件」もしくは「買いたくないと思う物件」このどちらかです。
買いにくいか、もしくは買いたくないと思われる物件によく見られる一般的な特徴は以下の通りです。
・価格が高い
・融資がつきにくい
・地方物件
・築年数が古すぎる
・入居者の属性が悪い
・空室が多すぎる
・管理が行き届いていない
・土地の形状が悪い
・物件の規模が大きすぎる、または小さぎる
・遵法性を違反している
あくまで一般的な特徴ですが、上記のような物件というのは、売却しにくいです。
不動産の流動性リスクは本当にやっかいで、購入するときにリスク分析をしないと本当に後々痛い目にあいます。
買おうと思っている物件は流動性リスクがどの程度あるのか。
必ず買う前にしっかりチェックしましょう。
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役 / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など