不動産コンサルタントの髙野です。
私はこれまで不動産畑でしか働いてないのですが、それでも結構な種類の業務に従事してきた方だと思ってます。
たとえば、売買仲介、賃貸仲介、買取再販、不動産ファンドなど。
そこで、これまで本当に色々な人を見てきました。
不動産業界は転職のハードルが低いので、たくさん人が入社しては辞めて、入社しては辞めてを繰り返す業界です。
それで最近不思議に思うことがあります。
不動産営業で「稼げる人」と「稼げない人」についてです。
不動産の営業って、接客というよりは提案営業に近い形の業種です。
お客さんが何を求めているかをヒアリングして提案する。提案が至らなかったら、再度提案。この繰り返しです。
一見、同じようなことをしているようですが、不思議なもので稼げる人と稼げない人の差がとてつもないのです。
自慢ではありませんが、私はサラリーマン時代、稼げる方の営業マンでした。
色々な要素はあると思いますが、不動産営業において稼げるかどうかの明確な分かれ目は明確にあると思います。
というか稼げない人に共通する特徴として最近気づいたのが
「作業は早いけど、伝書鳩みたいな人」
このタイプって確実に稼げていない
ということに気がつきました。
作業は早いのです。だからレスポンスも早い。
でも伝書鳩みたいに、言われたことをそのままの言葉で伝えてしまう、このての人というのは全くもって成績が悪いと思います。
言い換えれば、行間を読めない。そういう人です。
反対に稼げる人がよくいう言葉も見つけました。
それは
「ちなみに」
これです。
たとえば、伝書鳩営業のイメージはこうです。
買主さん「この物件って中を見れますか?」
伝書鳩営業「確認しますね。」
伝書鳩営業「この物件って内覧可能ですか?」
売主さん「まだ荷物があるので見れません。」
伝書鳩営業「わかりました。」
買主さん「まだ荷物があるので見れません。とのことです。」
買主さん「そうですか…わかりました。」
この間10分くらい。スピードは早い。
こんなやりとり、文字にするとすごく変な感じですが、実際にこういう営業ってすごくたくさんいます。
では、稼げる営業はどうなのか?というと、こんなイメージです。
買主さん「この物件って中を見れますか?」
稼げる営業「確認しますね。ちなみにいつ頃内覧されたいですか?」
買主さん「○○○○○くらいですね。」
稼げる営業「確認しますね。」
稼げる営業「この物件って内覧可能ですか?」
売主さん「まだ荷物があるので見れません。」
稼げる営業「わかりました。ちなみに、いつ頃お荷物は移動されますか?」
売主さん「○○○○○くらいだね。」
稼げる営業「なるほど、ちなみに検討者が○○○までに見たいと言ってるんですが、○○○に早めていただくことは。。」
売主さん「それはちょっと難しいね。最短で○○○だね。」
稼げる営業「承知しました。ちなみに、室内の写真だけも撮らせてもらうことってできますか?」
売主さん「あ〜それならいいですよ。」
稼げる営業「ありがとうございます!では写真撮らせてもらいます」
稼げる営業「すみません、実は荷物があってちょっと内覧が間に合わないのですが、代わりに写真を撮ってきたので、ちょっと見ていただけませんか。イメージできると思いますよ。」
買主さん「あ、見たいです。」
こんな具合です。
この話のポイントは、「買主が何をしたいかを考えて動いているかどうか」これだと思うです。
別に買主さんって、内覧マニアじゃないので、内覧でなくても中を確認できえればまずはOKな場合が多いんです。
だけど伝書鳩の人って「内覧できるか?」という質問にだけYESかNOで考えてしまってるから、ニーズを掴みきれずチャンスを逃すんです。
反対に稼げる営業は、その人が求めてることをキャッチしその欲求を満たすように動きます。だから結果的に顧客は満足して申し込むわけです。
私が長らく不動産業界にいて、稼げる人とそうでない人がいる理由を考え抜いて出して結論でした。
自分自身も、今日の提案はうまくいかなかったなぁと感じる時は、大体この伝書鳩現象が起きている気がします。
こればかりは日々の鍛錬以外の何者でもないし、他人事ではないので、毎日気を引き締めて伝書鳩営業にならないようにしないといけないなぁと感じました。
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役 / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など